20年以上愛用して、さすがに色が落ちてきたダック生地のオーバーオール。気分転換もかねて染め直してみました。結構良い感じに染まり、結果は大満足。そんな染め直しのビフォー・アフターや、染め直す際のポイントなどについてご紹介していきます。カーハートなど、ダック地のカバーオールやワークパンツなどを染め直したい方はぜひ参考にしてみてください。
染め直したカバーオールのビフォーアフターをチェック
それではさっそくビフォーアフターを見比べてみます。色落ちしていたジャケットがしっかりとした茶色になりました。
ダック生地は硬いので、染ムラなどができることを心配していたのですが、幸いにしてしっかりと染まり大満足です。背中側は以下。
カーハートのカバーオールやワークパンツなどもコットン100%のはずなので、同様に染められるはずです。
なお、使った染料はPAC Fabric Dye。ソイルブラウンとウォームオレンジの2色を混ぜて使いました。
ダック地ジャケットの経年変化
ビフォーアフターはお見せした通りですが、染める前の20年着用したダック地の詳細についてもご紹介しておきます。ちなみにメーカーはnecessary or unnecessary。最近ではN.O.UNといった方が一般的でしょうか。20歳のころに購入したのですが、まさか20年以上着ることになろうとは…。
20年着ると色落ち具合はこんな感じ
ジーンズのように特定の箇所の色が落ちるということはなく、全体的に色落ちしています。
襟の裏は若干色が濃いということを考えますと、日焼けによる色落ちもあるようです。
20年着用したスレ具合もチェック
20年着用していますが、大きな穴などはありません。デニムで20年だと穴は避けられないので、ダック地の頑丈さが伺えます。
とはいえ、袖や裾などはさすがに擦れてほつれてます。ほつれに関しては、味で済ませられるのも、この手のジャケットの良いところです。とはいえ、近日中にお直ししようかななんて考えている今日この頃。
染料はPAC Fabric Dye
染料はPAC Fabric Dyeを使用しました。
染料といえばダイロンが有名ですが、私はPAC派。理由はPACは固着剤と色止め剤もセットになっているから。いろいろとそろえる必要がないのでラクなんです。また、PACで失敗したことが無いというのも決め手となっています。
ソイルブラウンだけだと濃くなりすぎそうな気がしたので、ウォームオレンジを混ぜてみることにしました。染料は絵具と同じ感覚で混ぜることができます。
カバーオール染色作業手順
続いては、ダック生地のカバーオールを染色した手順について解説していきたいと思います。
カバーオールをオキシ漬け
染色に入る前に、カバーオールをオキシクリーンできれいにしておきました。カバーオールって雑に扱いがちなので、汚れがたまってそうですし、汚れなどが付着していると染まりにくいからです。
実際、オキシクリーンにつけてみると、イヤーな感じの汚れがしみだしてきました…。写真は割愛します。
その後、普通に洗濯をして準備完了。染めるのは濡れたまま行うため、乾かす必要はありません。
染料の準備
洗濯している間に染料の準備をします。ステンレスのボウルに染料を入れて、規定量のお湯を注ぎ混ぜるだけです。以下は濡れているボウルに染料(粉)を入れたところ。
なんだか岡本太郎的になってます。いろんな色が混ざって茶色になっているんですね。
一方、大きめのバケツに固着剤と塩を入れ、お湯で溶かしておきます。
ポイントの一つが、大きめのバケツで作業すること。衣類が混ぜやすく、結果として色むらができにくいからです。我が家では20Lくらいのシリコン製バケツを利用しています。
ボウルの染料と固着剤を混ぜたら準備完了です。
漬け込み
オーバーオールの洗濯が完了したら染料に漬け込みます。
ここでのポイントはとにかくよく混ぜることです。染料に漬けていれば自然と染まりそうな気もしますが、それは甘い考え。混ぜないと色ムラができてタイダイのようになってしまいます。
漬け込み直後はもみ洗いをする感覚で10分ほどモミモミと。その後は定期的に衣類を動かし、まんべんなく染料がいきわたるようにすることがコツ。折り目などは染まりにくいので特に注意が必要です。
なお、写真のような頑丈なゴム手袋は必須アイテム。簡素なビニール手袋で作業をしていると以下のように手を染めることになってしまいます。
数日間色が落ちず大変でした…。
すすぎ
1時間ほど経過したら、いったん染料をすすぎます。説明書には「水が透明になるまで」と書かれているですが、経験上「すすぎの工程で水が透明になることは永遠にない」と感じているので、5回くらいを目安にすすいでいます。
色止め
続いては染料付属の色止め材で、色止めをします。
ダイロンですとカラーストップが別売されていますが、PACは付属なのがお気に入りポイントです。お湯に溶かして、衣類を入れて、しっかりと撹拌。もみこんだ後に15分ほど放置します。
すすいで陰干しに
カラーストップが終わったら、すすいで陰干しにします。すすぎは洗濯機でOKです。以下は脱水が終わった直後。
濡れていると色が濃くでるため、これよりは薄くなるはず。乾くとどんな色になるのかドキドキする瞬間です。
で、乾燥したのが以下。
これでまた新たな気持ちで着れそうです。
今回失敗したのが、以下のポケット部分。
レシートか何かが入っていたようで、妙なシミになってしまいました…。カバーオールやワークパンツなどを染める際、小さなポケットの中に何も入っていないことをしっかりと確認しておきましょう。
色押ししたブラウンダック地はPAC Fabric Dyeで蘇る!
以上、ダック生地のカバーオールを自分で染め直してみた話です。頑丈な生地ですし、きちんと染まるのか不安もありましたが、大きな問題もなく染め直すことができました。
色はもう少し明るくても良かったかななんてことも思いつつ、まあ良いことにします。濃い目の茶色が良い方は茶色のみで、明るめの茶色が良い方はオレンジではなく黄色などと混ぜると良いかもしれません。
染め直しは時間はかかりますが簡単な作業ですし、お気に入りの衣類を新たな気持ちで着ることができます。捨てたくないけど色落ちが気になる…なんてお洋服をお持ちの方はぜひチャレンジしてみてください。
せっかく色がきれいになったことですし、襟の補修もしようかな。