東急ハンズで購入した「金継ぎセット」を利用して初めての金継ぎに挑戦しているのですが、最初の方の工程で思わぬ失敗が発生…。色々あって結局は最初からやり直すことになりました。「こんな失敗談もこれから金継ぎに挑戦する方には役立つかも…」とご紹介しておきます。金継ぎ初心者の方はぜひ参考にしてみてください。
前回までの話(金継ぎキット購入~接合)
写真は今回使っている金継ぎセットです。家にこもって出来る趣味ということで、東急ハンズにて購入しました。金継ぎに必要なモノは一通りそろっているようで、コレだけあればとりあえず金継ぎに挑戦できるという優れもの。
そしてこちらが割れたお茶碗。これを金継ぎセットにて直してみようというのが今回の試みです。
セット付属のマニュアルによると金継ぎは大きく下記の工程に分かれています。
- 漆固め
- 接合(麦漆接着)
- 削り
- 刻苧付け
- 錆漆付け
- 錆研ぎ
- 塗り
- 塗りの研ぎ
- 金粉蒔き
- 金粉固め
- 仕上げ
前回の工程はバラバラだった破片をくっつける接合(麦漆接着)。金継ぎにおける超初期の工程です。そんなのっけから失敗するなんて…。
詳細は下記ブログをご参照ください。下記を書いた時点では失敗してるなんて想像もしておらずウキウキしている感じが伝わると思います。
金継ぎ失敗…ずれてるっ!!
前回までのおさらいをしたところで失敗談をご紹介していきたいと思います。まずは下記写真をご覧ください。
接合(前回の工程)から3週間ほど。取り出した茶碗です。かなりがっしりとくっついており「漆すげぇ」と素直に感動していました。なのですが、そこはかとなく感じる違和感…。
ズレとるっっっ………!!!!
1mmにもみたないズレなのですが、手に持つと超絶な違和感を覚えます。皆さんもちょっと想像してみてください。段差がある茶碗を。それでご飯を食べる姿を。洗うたびに引っかかりのある茶碗を。かなり気になるはずです。
とりあえずグイグイ引っ張ってみたものの微動だにせず…。こうなってくると漆の接着力が絶望へと代わります…。
ココで出した結論は「こうなってしまった以上、先に進むしかない」です。まあ初めての金継ぎですからね。失敗はつきもの。この経験を次に活かすしかありません。
ということで、次の工程に進むべく、はみ出した漆をカッターを使って削り落としていきます。そもそもはみ出し過ぎですね…。
金継ぎセット付属の砥石もつかってゴシゴシ。この工程に関しては目の細かい紙やすり(耐水ペーパー)があった方が良さそうです。
「気分転換に近所のホームセンターに耐水ペーパーでも買いに行くか…。その前に削ったカスを洗い流しとこう…」そうしている時に転機は訪れました。
「あ、取れた…。」
付けたものが取れるなんて、金継ぎの接合としては大失敗なのでしょうが、今回に限って言えば怪我の功名。最初からやり直すことになりました。
失敗した原因を考えてみる
今回の金継ぎに関しては、大きく2つの失敗がありました。
- 接合がズレた
- そもそもきちんと接合されていなかった
その原因を考えていきたいと思います。
金継ぎ失敗の原因①:確認不足
この写真は前回のブログでご紹介した写真を拡大したもの。麦漆で接合して、マスキングテープで仮止めした直後です。この段階でズレが無いかもっとしっかりと確認しておくべきでした。
手元にあった金継ぎの本「ゼロからの金継ぎ入門」によると「ズレがないか、いろいろな角度から確かめて補正する」のだそう。確かにいろいろな角度からチェックってやってなかったですね…。
これから金継ぎに挑戦される皆様は「接合した後はいろいろな角度からチェックする」ということをお忘れなく。
金継ぎ失敗の原因②:麦漆がボソボソすぎた…
前回のブログでも触れていたのですが、麦漆がかなりボソボソでした。おそらく漆の不足と練った小麦粉を休ませる時間の不足です。
麦漆がボソボソだったため、かなり塗りにくく「これで良いのか…」と自問自答しながら作業を進めることになりました。結果として塗った麦漆が厚くなりすぎ、ズレやすく、接合力も弱いものになったようです。
金継ぎ失敗の原因③:小手先で作業していた
前回の工程では小麦粉を練ったモノと漆を混ぜて麦漆を作り、断面に薄く伸ばすというモノでした。
この作業をすべて付属のヘラでチョイチョイと行っていたのですが(まさに小手先での作業)、きちんとしたゴム手袋を用意して、時には手も使って作業するべきだったかなと。
まあ経験してみてわかることですね。次回に活かしたいと思います。
失敗⇒やり直しだけど金継ぎは楽しい
以上、初めての金継ぎでの失敗談でした。まあ失敗したとはいえ、怪我の功名でやり直せることになったので、また1から挑戦しなおしたいと思います。こういったことも含め、初めての挑戦なので。
やり直しが終わったらその模様をご紹介したいと思います。続きもお楽しみに!