ずいぶん昔に購入したパンツ。サイズ的にも履けるし、ダメージもない。けれどシルエットが今っぽくない…なんてことありますよね。そんなパンツはシルエットを調節するのがおすすめ。ミシンがあれば30分ほどの作業で好みのシルエットに変更可能です。そんなパンツの調節方法について解説していきます。捨てるのはもったいないけど履くのもちょっと…なパンツをお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。
シルエットを変更したパンツのビフォーアフタ
まずはシルエットを変更したパンツのビフォー・アフターをご紹介していきます。まずはビフォーから。これでもかというくらいにストレートです。今っぽくはないというか、私が青春時代を過ごした98年ころから現在に至るまで、ここまでストレートなシルエットがはやった記憶はありません。
まあ、奇をてらったタイプのパンツで、そこに惹かれて購入したものです。なのですが、二十歳そこそこの若者にはうまく履きこなせず、タンスのこやしになることが20年近く。実家の掃除中、綺麗なままで発掘されました。
ちなみに購入したお店は当時大名にあったDice & Diceというお店。当時はYou Must Create(当時はYMC)の輸入代理店で、Smartなどオシャレ雑誌の問い合わせ先として唯一福岡の地名が掲載されており、田舎の少年は「スゲー」なんてことを思っていました。完全なる余談ですね。
そのままメルカリなどに出品しようかとも考えたのですが、一度は気に入って購入したズボンですし、自分の手(足かな)で履きつぶしたい気持ちが沸き上がります。
ストレートでズドンと履くことも考えたのですが、今っぽく、テーパード気味にすることに。それだけでずいぶん履きやすくなるはずです。ということで、加工したのが下記。
加工前とはちょっとした違いですが、そのちょっとした合わせやすさにずいぶん影響するものです。おじさんになると奇をてらった服って着にくくなりますからね…。
パンツのシルエットを変更する方法
イメージを考える
パンツのシルエットを変更する上で一番大切なのが、作業後のイメージをしっかりと考えることです。ストレートなのかテーパードなのか、何センチくらい詰めようか、どこから詰めようか。そういったことを鏡の前でアレコレ考えます。
その際役立つのが安全ピンや洗濯バサミ。ちょっとつまんだところを留めて、鏡の前に立ってみる。もうちょい詰めて再度チェックといったことを繰り返すと、理想のイメージができてきます。
詰める場所を考える
どれくらい詰めるのかがイメージできたら、次は作業方法を検討しましょう。一口にパンツといっても、縫い方は様々で、どこをどう詰めるかはパンツ次第。基本的にほどきやすい部分が詰めやすい部分です。
裾をほどく
詰める場所が決まったら、その周辺の裾をほどいていきましょう。すべてをほどく必要はありません。まずはカッターなどを使って、いくつかの縫い目をカットしてください。
そこをぐいぐいと引っ張れば、縫い目の隙間に縫い糸が見えるので、それをハサミなどでカットしていけばスムーズです。
半分くらいほどいたのが下記。次の工程に進みます。
パンツの筒状の部分をほどく
続いては筒状の部分をほどいていきます。やり方は同じようなもので、縫い目の糸をカッターなどで切り、ぐいぐいと引っ張る。そこで出てきた縫い糸をさらにカットの繰り返しです。
今回は膝のあたりからテーパード気味にするため、膝部分までほどいていきました。
シルエットを再度確認
ここで再度、目的とするシルエットを確認しておきます。筒状の部分をほどくとシルエットの確認がしやすくなりますし、作業後のイメージもつきやすくなります。
色々悩んだあげく、裾部分で5cm詰めることにしました。
アイロンがけ
続いてはアイロンがけ。洋裁の基本は「アイロンをかけて縫う。縫った後はアイロンをかける。」です。
それだけでずいぶんと縫い目がきれいになるので、めんどくさがらずにアイロンをかけておきましょう。
チャコペンなどで印を入れる
続いては縫うべき部分がわかるよう、チャコペンなどで印を入れておきましょう。洋裁初心者であれば、定規などを利用してしっかりと線を引くのがポイントです。私はちょっと雑な性格なのと、長年使った勝手知ったるミシンということでこの工程はかなり端折ってます。
ミシンなどで縫う
いよいよ、本作業のメイン。ミシンなどを使ってパンツを詰めていきます。直線を縫うだけなので、印さえ入れておけば大きな失敗も無く縫えるはずです。まあ、失敗してもほどけばよいだけなので気軽にトライしてみてください。
なお、下記写真ではマチ針も打たず、線もちゃんと引かずに作業していますが、長年使い続けた愛用の職業用ミシンだからなせるワザです。マネするのはおすすめできません。
綺麗に仕上げたい方はちゃんとマチ針を打ってから作業してください。
アイロンがけ
縫い終わったらアイロンがけをしておきます。
繰り返しになりますが、洋裁のコツは「アイロン⇒ミシン⇒アイロン」です。
裾をもとに戻す
縫い目にアイロンをかけたら裾を戻すのは簡単です。
もともとの縫い目の上を縫い直せば完成します。
パンツのシルエットは簡単に変更できる!
以上、パンツのシルエットを変更した話でした。今履くのはちょっと…というパンツも、シルエットをちょっとだけ変更すれば案外履けるもの。捨てるのは忍びないけど…なんてパンツをお持ちの方はぜひトライしてみてください。失敗したって簡単にもとに戻せますし、そもそも履いていなかったズボンですから、ダメージはゼロです。