シャツのボタンホールがほどけてきて困った…。人生でそうそうあることではありませんが、全くないとも言えないこの状況。針と糸があれば簡単に解決できます。手縫いでシャツのボタンホールを補修するやり方について解説しているので、お困りの方はぜひ参考にしてみてください。
手縫いで補修したボタンホールのビフォーアフター
まずは手縫いで補修したシャツのボタンホールのビフォー・アフターを紹介します。まずは補修前。
ボタンホールの一部がほどけてしまいちょっと困った事態に…。このまま使い続けると、ボタンホール周辺の生地が破けてしまうかもしれません。
以下が補修後の写真です。
ボタンの付け外しもスムーズ。安心してシャツを着用できます。
ほどけたボタンホールの補修方法
続いてはほどけたボタンホールを補修するやり方について解説していきます。
必要なアイテム
シャツのボタンホールの補修に必要なアイテムは針と糸のみ。糸の太さはさまざまですが、シャツであれば、30~60番手ほどの細い糸が使われているはずです。
なお、糸には手縫い用とミシン用があります。違いは「使っているときの糸のねじれやすさ」。ミシン糸を手縫いで使うと糸がねじれますし、手縫い糸をミシンで使うとやはりねじれます。
糸は高いモノではありませんし、手縫い用を用意しておくことをおすすめします。
ステップ1:目印のステッチを入れる
手縫いでボタンホールを綺麗に仕上げるためには、目印が必要。まずは目印となるステッチを入れていきます。
ボタンホールからちょっと離れた①から針を入れます。そして、ボタンホールから数ミリ離れた②から針をだしましょう。
続いては②から③に向けてまっすぐ縫っていきます。
このステッチがボタンホールを作る目印になります。
元のボタンホールのステッチ位置よりも、やや深い位置に入れるのがポイント。生地がほつれるのを防ぎます。
手っ取り早く仕上げたい方や、不揃いなステッチは味と思える方はこの工程は省いて大丈夫です。
ジャケットなど、厚みのある生地のボタンホールを仕立てる場合には、②~③に糸を通し、ボタンホールステッチに立体感を作ることもあります。一般的なシャツであれば、そこまでする必要はないはずです。
ステップ2:ボタンホールステッチで縫っていく
続いては生地を補強するための「ボタンホールステッチ」を入れていきます。
まずは④のボタンホールに針を通し、⑤のステッチのちょっとだけ向こう側から針を出します。
ここからがボタンホールステッチの最重要ポイントです。針を引くと、以下の写真のように縫い糸の輪ができます。
輪の糸の下から輪の中に針を通します。
針先は輪の上を通ります。
続いては糸を矢印方向に引っ張りましょう。
ポイントは、糸をほどよい力で引っ張ること。力を入れすぎると、生地がゆがんでしまいますし、弱すぎると、ボタンホールとして成立しません。ほんのちょっぴりグッと締まるというあたりを狙うようにしてください。
以下同様で、ボタンホール(⑥)から針を通し、⑦で針を出します。
できた輪に針を通しましょう。
続いては糸を引っ張ります。
ポイントは先ほどと同じくらいの力で引っ張ること。縫い目がそろいます。力を入れすぎる必要はありません。
これで2ステッチ目が完成。あとはこの繰り返しです。
端まで縫い進めてください。
基本的には「縫ってできる輪に針を通す」というだけです。慣れてしまえば難しいことはありません。
ステップ3:端の糸を処理する
最後は糸の処理。ボタンホールステッチ自体が結び目を作るような縫い方のため、簡単にはほどけません。
通常の手縫いのような玉止めは不要。下の写真のように、針をボタンホールステッチの下に通しておけばOKです。
スタート地点の余分な糸と、ゴール地点の余分な糸をカットすれば、ボタンホールの補修の完成です。
上記の補修にかかった時間は15分くらいでしょうか。それほど時間はかかりません。
シャツのボタンホールのホツレは手縫いで簡単に補修できる
以上、シャツのボタンホールのホツレを自分で補修した話でした。針と糸があればだれでも簡単にトライできます。お気に入りのシャツのボタンホールがほつれた…という方はぜひ挑戦してみてください。