20年以上実家の下駄箱に放置していたFILAのスニーカー。捨てるのも忍びないということで、久しぶりに履いてみることにしました。ところが、長年の放置によって合成皮革部分の表面がぽろぽろと剥がれていきます(幸いにしてソールは無事)。近所のお買い物用とはいえ、さすがにみっともない感じ…。ということで、水に強いアクリル絵の具を使って補修することにしました。結果はなかなかによい感じで、これでまたしばらく楽しめそうです。そんなアクリル絵の具を使ったスニーカー補修のやり方について解説しているので、色が褪せてボロボロだけど捨てられないスニーカーをお持ちの方はぜひチェックしてみてください。
アクリル絵の具で補修したスニーカーのビフォーアフター
それではさっそくビフォーアフターをご紹介したいと思います。
以下がビフォーの全体像。
レザー風だった部分が加水分解によりポロポロと崩れています。つま先をアップにしてみると以下のような感じです。
近所のお散歩用にしても、さすがにボロボロです。試しにマッキーで色を塗ってみましたが、効果はほぼ無しでした。
以下が補修のアフター。
ネイビーが明るいため、ずいぶんと若返った印象です。つま先をアップにしたのが以下。
ぱっと見ただけでは、お直ししたのもわからないはずです。
ちなみにこのスニーカーを購入したのは1996年の夏ころの話。なぜそんなに細かい年月を覚えているのかというと、初の海外で購入したからです。車いすだった祖母を海外旅行へ連れて行こうということになり、高校生で体力もあり、なおかつ夏休み期間中であった私もついていくことになりました。そして、訪れた先のハワイのフットロッカーで購入した(買ってもらった)というワケです。
その後、ナイキやリーボックなど空前のハイテクスニーカーブーム。そこから外れていたFILAは、なんとなく履く機会を逸したまま、実家の下駄箱に入りはや20年…。実家の大掃除で発見しました。今は亡き祖母に買ってもらったものですし、せっかくなら履きつぶそうという気持ちになり、補修してみることにしました。
幸いにしてソールは加水分解しておらず、着用に問題はありません。90年代後半・00年代初頭あたりに購入したウレタンソールのスニーカーをいくつか実家に放置していたのですが、加水分解するソールとしないソールがあるようです。
スニーカー補修に使用したアクリル絵の具など
作業に使った道具は以下です。
- アクリル絵の具
- 筆
- パレット(紙皿などで代用可能)
- 水を入れる容器(紙コップなどで代用可能)
上記はダイソー・セリア・キャンドゥなど100均でも手に入ります。ピッタリの色の絵具が見つからなかった場合には、画材店で売っている本格的なアクリル絵の具がおすすめ。カラーバリエーションが豊富なので、比較的近い色が手に入るはずです。
アクリル絵の具によるスニーカー補修のやり方
続いては、アクリル絵の具によるスニーカー補修方法について、やり方を解説していきます。といっても、塗るだけなんですけどね。
色を塗る部分をきれいにしておく
色を塗る予定の部分は出来るだけきれいにしておきましょう。
今回は写真のように合成皮革部分がボロボロ。
ところどころ剥がれているため、思い切ってすべて剥がすことに。その方がいっそスッキリするはずですし、せっかく色を縫った部分がはがれるといったトラブルも未然に防ぐことができるはずです。
マイナスドライバーを使いどんどんはがしていきます。
30分ほど格闘した結果、すべて剥がし終わりました。
無理にはがした部分は繊維が毛羽立っていたので、ライターであぶります。
毛羽立ちが解消され、見た目がスッキリ。
スエードっぽくなりました。もう、これで終わりにしても良いかなぁなんて思いがふと頭をよぎりますが、当初の予定通り色を塗っていくことにします。
なお、ライターで炙るのはスエードの毛羽立ちにも有効です。スエード靴の処理をした話については下記ブログを参考にしてみてください。
できるだけ近い色の絵の具を見つける
最初にして最大のポイントは色を合わせること。ネイビーと一口に言っても、黒っぽいネイビーから、ブルーに近いものまでさまざまです。まずは、できるだけ色の近い絵の具を見つけましょう。
おすすめの絵具はリキテックス。色が豊富なので、比較的近い色を見つけやすいはずです。今回はプルシャンブルーヒューをチョイスしました。
また、リキテックスにはレギュラータイプやベーシックスなどいくつか種類があるのですが、塗りやすいソフトタイプを使用しています。
絵具の色を合わせる
どれだけ近い色の絵具を買っても、微妙に色が異なることも多いもの。そんなときには絵具を混ぜ合わせてできるだけ近い色を作ることがきれいに仕上げるポイントになります。
ネイビーであれば、黒を混ぜて濃くするか、ブルーを混ぜて明るくするか、あるいは緑などを足すのか。
何をどれだけ足せばよいかは、現物と見比べながら試すしかありません。なお、この作業はこだわりだすとキリがないため、「ある程度」で妥協することを強くおすすめします。
今回ははがした合皮すべてに色を付けるので、購入した絵具をそのまま使いました。
筆で塗る
色ができたら、あとは筆で塗るだけです。筆に軽く水をつけ、絵具の伸びをよくしてから、塗りムラが出ないようにするのがポイント。
まあ、多少ムラや凹凸が出ても、だれもそこまで気にしないはずなので、おおらかな気持ちで作業するのがコツです。なお、はみ出すのがイヤな人はしっかりとマスキングして作業にのぞみましょう。
再び色を作り直すのは大変なので、「気になる箇所はすべて塗る」ことも大切なポイント。ちょっとでも気になるのなら、色を塗ってしまいましょう。今回は合皮部分全てに色を塗りました。
乾燥させる
あとは乾燥するまでしばし待つのみです。絵具が周囲に付くのを防止するためにも、しっかりと乾燥させてください。
天気の良い日の屋外であれば、数時間ほどでしっかりと乾くはずです。
靴紐は別途オキシクリーンに漬けてピカピカに。オールスターの靴紐をオキシ漬けにした模様を下記ブログにてご紹介しています。
靴紐をセットして完成です。
これでまたしばらく楽しめそうです。購入から20年以上が経過したスニーカー、いつまで履けるかトライしてみます。
まとめ:色があせたレザースニーカーはアクリル絵の具で補修
以上、アクリル絵の具を使ってスニーカーを補修した話でした。最後にもう一度ビフォーアフターをご紹介。
このように、色ムラがなくなれば、それだけで見た目の雰囲気が若返るものです。色が褪せてはかなくなった(けれど捨てられない)スニーカーがあるのなら、トライしてみる価値は大いにあります。
最後に今回使ったアイテムを再度ご紹介
■アクリル絵の具
アクリル絵の具によるスニーカー補修、ぜひ挑戦してみてください。お気に入りが復活すれば、エコですし愛着がさらに深まるはずです。