子供はおもちゃが大好き。そして、力いっぱい遊んでおもちゃを壊してしまうのも子供ならではのあるあるです。そんなときに壊れるのは基本的にお気に入りのおもちゃ。そのまま捨てるのも忍びないですし、モノを大切にすることを教えたいと修理にチャレンジしてみました。結果、接着面が小さく、瞬間接着剤だと無理だなと思われたスティック状のおもちゃもしっかりと修理できて大満足です。折れた・壊れたおもちゃを修理したい方はぜひ参考にしてみてください。
壊れたおもちゃのビフォーアフター
まずは壊れたおもちゃのビフォーアフターから。見事にぱっきりと折られています。まあ、それだけ楽しく遊んだ証拠です。100均でも購入できそうなアイテムですが「お父さん、これ直して…」と言われたからにはチャレンジするしかありません。
直したのが以下の写真。まあまあきれいに直せたかなと思っています。修理後の強度を考えてちょっと短くしました。
接合部分をアップにしたのが以下の写真。お直ししたあとがわかりますが、まあ我が家の子供は気にしないタイプなのでOKです。
これでフリフリしばらく遊んでくれることでしょう。子供が喜ぶのが一番。また、「モノを大切にする」ということが伝わればよいなとも思っています。
折れたプラスチックを修理する方法
今回のようにぱっきりと折れたプラスチックの棒。そのまま瞬間接着剤などで固定しても、子供が振り回した瞬間に折れるのが目に見えます。というか、そもそもくっつかないかもしれません。
そこで考えたのが芯を通し、接着面を増やすこと。いろいろ調べているとフィギュア作成に使われる「軸打ち」という手法が使えそうなことがわかりました。小さな穴をあけ、軸を通し、パーツを結合させるテクニックだそう。まさに考えていた方法です。それを真似てみることにします。
軸打ちに必要な道具
軸打ちに必須の道具は小さくて正確な穴をあけるためのピンバイスと、軸となるパーツ、そして接着剤です。のこぎりと、固定するための道具はあればベターといったところでしょうか。
ちなみに、私が使っているのは「アネックス(ANEX) ラバーグリップ ピンバイス」という製品。日本製だけあってブレなどもなく、かなり使いやすいのでおすすめです。
とはいえ、ピンバイスは100均でも購入できるので、安く済ませたい方は大きめのダイソー・キャンドゥ・セリアなどをチェックしてみてください。おもちゃを修理する程度の使い道ならそれで充分なはずです。
なお、100均では手芸材料として扱われていることもあるようなので、工具コーナーで見つからなかった場合には店員さんにたずねてみることをおすすめします。
ピンバイスとともに重要なアイテムが「軸」です。軸打ちには一般的に真鍮の棒が使われるそうです。なのですが、家にちょうど良い銅製の針金があったので、それを使用することにします。
なお、いろいろ試してみた結果、軸はドリルの直系よりも0.1mmほど小さいものの方がすんなりハマるようです。軸が0.9mmだったので、ドリルの刃は1.0mmで作業しました。
おもちゃをちょっとカット
断面をきれいにするため、まずはカットすることにしました。また、修理位置が子供が握る位置にくるよう、ちょっと短くすることに。それだけで、修理後のおもちゃにかかる負担を減らせるはずです。なにせ、振り回して遊ぶのが前提のおもちゃなので、できる限り補修箇所に負担をかけたくない。
プラスチックなのでのこぎりで簡単に切れます。断面が平面になるよう、やすりがけをして下処理は終了です。
以下のようになりました。ちょっと短くし過ぎたかな…なんてことも思いますが、元には戻せないので、良しとするしかありません。
穴の位置決め
断面をきれいにしたら、穴をあける位置を決めます。穴の位置が大きくずれてしまいますと、くっつけることができないので、慎重に。また、ねじれ方向の力にも強くなるよう、2箇所に穴をあけることにしました。
中心に線を引いて、端から2mmの位置に、画びょうで小さな穴をあけます。この穴が基準です。
両方のパーツを見比べながら、位置をしっかりと確認。もう片方のパーツにも下穴をあけます。
なお、おもちゃの固定に使っているのは、ダイソーで購入できるミニバイスという製品。もっておくと何かと役立ちます。
ピンバイスで穴あけ
続いては、下穴にピンバイスを当てて、カリカリと穴をあけていきます。プラスチックなので簡単に穴があきます。
軸となる針金が0.9mmだったので、ドリルの直系は1.0mmを選択しました。
片方に穴をあけたところ。この段階で、もう一度両方のパーツを見比べて、大きくずれてないことをチェックしておきました。
軸を通し接着剤で固定する
両方に穴があいたので、試しに軸を通してみます。
うまくハマるかドキドキする瞬間です。それなりにうまくいきました。ホッと一息。
大丈夫そうなので、接着剤をつけてから、再度軸を通します。はみ出した接着剤はふきとっておきましょう。あとは乾くのを待つのみです。
乾燥後はしっかりとくっつき、子供が振り回しても大丈夫でした。
【追記】ラジコンのサイドミラーを修理しました
同じ方法でラジコンカーのちぎれたサイドミラーを補修しました。以下がビフォー。完全にちぎれています。
ピンバイスを使って穴をあけます。
本体側にも穴をあけます。パーツがゴム素材で多少のずれは許容してくれそうだったので、割と適当に位置を決めました。
芯を通し、ボンドで結合。
以下が修理後。しっかりとくっつきました。
斜めから見たのがコチラ。補修跡はまったくわかりませんし、簡単に外れることもなさそうです。
これでまた子供も気兼ねなく遊ぶはずです。
割れたプラスチックおもちゃの修理は軸打ちでしっかり修理
以上、割れたプラスチックのおもちゃを軸打ちで修理した話でした。それなりに手間はかかってしまいますが、しっかりとくっついており、大満足。見た目も大きな変化はないので、さまざまなことに応用できそうです。穴をあけるといったハードルはありますが、やってみるとけっこう簡単。DIYが好きな方であれば楽しんで作業できると思います。子供におもちゃを直してとせがまれた皆様はぜひトライしてみてください。